ソニー『α9』速攻レビュー1 外観と触感、重量からその良さをジワジワと味わう

2017/05/27(土) - 14:57 | bisoh
5月26日(金)、ソニーのフルサイズミラーレス一眼『α9』を発売日に買ってしまった。これまで使っていたキヤノンEOS 5D Mark III、レンズ5本、フラッシュなどを全部下取りに出し、差額をちょこっと払って入手。そこまでして欲しかったα9、その使い心地は期待を裏切らないものだった。今回はそんな小さくて軽くて超高性能なα9の外観や付属品を見たり、重量など測ってみたり、速いけど雑なレビューをつらつらと、写真メインで。

ソニーα9の箱ソニーα9の箱 (c)Bisohα9の箱の後ろ。機能紹介やアクセサリー紹介がぎっしり入ってて楽しいα9の箱の後ろ。機能紹介やアクセサリー紹介がぎっしり入ってて楽しい (c)Bisoh

ソニーα9と付属品。充電器&電源ケーブル、バッテリー、ACアダプター、マイクロUSBケーブル、ストラップ、ケーブルプロテクター、説明書&保証書などソニーα9と付属品。充電器&電源ケーブル、バッテリー、ACアダプター、マイクロUSBケーブル、ストラップ、ケーブルプロテクター、説明書&保証書など (c)Bisoh

小さくもガッシリしたボディ、握りやすいグリップ

小さいけれどα7シリーズよりは重い。でもフルサイズセンサーのカメラとしては十分に軽い。マグネシウム合金ボディの高い剛性感と防塵防滴機構の採用で、頼りになる感じ。実使用時の重量については、この記事の最後の方で。

ソニーα9、前からソニーα9、前から (c)Bisoh
ソニーα9、向かって斜め右前ソニーα9、向かって斜め右前 (c)Bisohソニーα9、グリップ側からソニーα9、グリップ側から (c)Bisoh

ソニーα9の背面ソニーα9の背面 (c)Bisoh
グリップも握りやすい。自分の場合、小指が下に余る事もなく、レンズ装着時にも、ボディを支える指(中指、薬指、小指)に変な負荷がかかる感じがしない。

写真では少し小指がはみ出しているように見えるけれど、これは無理矢理右手首を裏にひねり、指の位置がやや下にズレたため。通常の構えでは小指でもグリップをホールド出来ている。

コンパクトなボディだけど、グリップは結構握りやすいコンパクトなボディだけど、グリップは結構握りやすい (c)Bisoh
アイピースカップはガシっとハマっていて、紛失の心配はなさそうアイピースカップはガシっとハマっていて、紛失の心配はなさそう (c)Bisoh背面液晶を引き出したところ背面液晶を引き出したところ (c)Bisoh

マルチセレクターついに搭載! 程良い感触のダイヤル&ボタン類

持ってないけど、α7の操作ダイヤル類はなんだかスカスカな感じで好きじゃなかった。連写速度も最大5コマ/秒、マルチセレクターもなかったため、動き物を撮るにはどの機種も適しておらず、あまり購入意欲はわかなかった。

でも、α9はこれらの不足分を全部補ってきた。しかもα7シリーズからほとんどサイズアップなしに。特に20コマ/秒の連写速度やブラックアウトフリーなEVFは、想像の遥か上を行っていたので、無理してでも買う動機になった。

インターフェイスとしての目玉はやはりマルチセレクターの追加。もちろんこれまでもコントロールホイールの上下左右を押せばフォーカスポイントの移動が出来た。でも場所的に低すぎたのと、機能の切り替えを忘れた時にコントロールホイールを押すと、画面表示切り替えや設定メニューが起動してしまうのが難だった。

これがマルチセレクターの追加で操作の間違いがなくなった。これの中央クリックで、フォーカスポイントも中央へ戻る仕組みも採用されて、キヤノンのハイエンド一眼レフと同じ使い心地が味わえる。フォーカスポイントが専用レバーで動かせるのはとてもイイ!

グリップ背面には、見慣れたコントロールホイールの上に、待望のマルチセレクターがついたグリップ背面には、見慣れたコントロールホイールの上に、待望のマルチセレクターがついた (c)Bisoh
ボタンやダイヤルの配置はα6500に似てる。ダイヤルは前にもついているし、露出補正ダイヤルもついて、回すものがたくさんボタンやダイヤルの配置はα6500に似てる。ダイヤルは前にもついているし、露出補正ダイヤルもついて、回すものがたくさん (c)Bisohフォーカスモードは、斜め後ろにあるロックボタンを押しながら前のレバーを動かして変更するフォーカスモードは、斜め後ろにあるロックボタンを押しながら前のレバーを動かして変更する (c)Bisoh

モードダイヤルは全てにロック機構がついている。これについては、好みや、その人が使用する現場の状況によって要・不要どちらの意見もあると思う。最近の自分は頻繁に撮影モードを変えないから、移動中などにうっかり回ってモードが変わってしまう事を考えると、こちらの方が良いかな。

露出や絞りを変える前後のダイヤルやコントロールホイールの感触もアップグレード。程良い抵抗があり、クリック感もしっかり。シャッターはわずかに隆起していて、面積も広く押しやすい。半押しからレリーズまでの感触も違いがわかりやすい上、押し込み時の手ブレ発生を抑えられるように工夫されている感じ。

「ソニーはスペックだけなら凄いんだけど…」と言われたりする事もあるけど、α9は別格だと思う。むしろスペックシートだけ見てたらわからない、細かい部分がしっかり練られている印象。

ダイヤルやシャッターには程良い抵抗やクリック感があり、よく調整されてるダイヤルやシャッターには程良い抵抗やクリック感があり、よく調整されてる (c)Bisoh

容量が倍増し、サイズも大きくなったバッテリーと充電器

長らくα6000シリーズやα7シリーズに採用されていた小容量のバッテリー『NP-FW50』がようやく使われなくなった。新しいバッテリーは『NP-FZ100』。前者から約2倍の容量となった。

自分はα9と一緒に予備バッテリーも1本購入した。この2本で1日保つかどうかはこれから使ってみないとわからないものの、電池交換の回数が減るのは、雨の日なんか特に良い。

ただし充電器もNP-FW50用からサイズアップしていて、キヤノンEOS 5D & 7Dシリーズに使われているバッテリー、LP-E6用の充電器と同じくらいの大きさになっている。これだと周辺機器の容積が減らない感じがして、ちょっと悩ましい。もしα9を2台体制で行って4本同時充電するなら、別売りのマルチバッテリーアダプターキット『NPA-MQZ1K』はどうだろう?これはこれでだいぶ大きそうなのだけど。カタログ見るとこれのACアダプターも巨大。やっぱり悩ましい。

NP-FZ100とNP-FW50の比較。容量が2倍になったけど、大きさは2倍にはなっていなくて良かったNP-FZ100とNP-FW50の比較。容量が2倍になったけど、大きさは2倍にはなっていなくて良かった (c)Bisoh新バッテリーNP-FZ100用の充電器は、キヤノンのLP-E6用充電器とほぼ同じ大きさ新バッテリーNP-FZ100用の充電器は、キヤノンのLP-E6用充電器とほぼ同じ大きさ (c)Bisoh

充電器によるバッテリー充電。ケーブル式はちょっとわずらわしいけど、他のプラグまで塞がないのが良いところ充電器によるバッテリー充電。ケーブル式はちょっとわずらわしいけど、他のプラグまで塞がないのが良いところ (c)Bisoh予備バッテリーも1つ同時購入予備バッテリーも1つ同時購入 (c)Bisoh

α9本体でもバッテリーの充電が可能

これはα9に限らず、ソニーのミラーレス一眼の良いところ。α9もボディ側面にあるマイクロUSB端子から給電&充電が可能なので、1台あたりバッテリー2本で済むなら、充電器は1台に対して1つあれば良いかもしれない。ACアダプターもα6500のものと同じでコンパクト。

この本体充電の際に不安な点は、マイクロUSB端子が奥まで入りきらないのと、普通に底面を下にしておくと、ケーブル側の端子とカバーが接触してちょっと無理がかかる風なこと。

対応策としては、端子側を上向きにして置き、カバーをボディの下側へ向けること。こうすると、端子にもカバーにも負荷はかからない。

α9側面の端子カバーを全部開けたところ。【左上から】LAN端子、シンクロターミナル、【右上から】マイク端子、ヘッドホン端子、HDMIマイクロ端子、マルチ/マイクロUSB端子α9側面の端子カバーを全部開けたところ。【左上から】LAN端子、シンクロターミナル、【右上から】マイク端子、ヘッドホン端子、HDMIマイクロ端子、マルチ/マイクロUSB端子 (c)Bisohマルチ/マイクロUSB端子にUSBケーブルを挿したところ。このカバーの向きで底面を下にすると、カバーと端子が当たって負荷がかかる。端子側を上向きにして、カバーをボディの下向きにするのがベターマルチ/マイクロUSB端子にUSBケーブルを挿したところ。このカバーの向きで底面を下にすると、カバーと端子が当たって負荷がかかる。端子側を上向きにして、カバーをボディの下向きにするのがベター (c)Bisoh

とりあえずα9のバッテリーたちを充電とりあえずα9のバッテリーたちを充電 (c)Bisoh
α9の底面α9の底面 (c)Bisohバッテリーカバーのレバーは戻りバネがない、α6500と同じタイプバッテリーカバーのレバーは戻りバネがない、α6500と同じタイプ (c)Bisoh

バッテリーカバーを開けたところ。青いのがバッテリー脱落防止のロックレバーバッテリーカバーを開けたところ。青いのがバッテリー脱落防止のロックレバー (c)Bisohこんな感じでバッテリーとSDカードが入るこんな感じでバッテリーとSDカードが入る (c)Bisoh

レンズ&フラッシュ装着時のバランス

ボディの重量が程よくあり、グリップもこのサイズの割に握りやすくなっていて、854gあるSEL70300Gを付けても撮影時の取り回しは気にならないと言うか、全体の重量が軽いから、むしろ楽な感じ。肩こり軽減しそう。

上から見たα9 + SEL2470Z上から見たα9 + SEL2470Z (c)Bisohα9 + SEL2470Z。レンズフードを付けていると少し前が持ち上がるけど、持った時の重量バランスは良しα9 + SEL2470Z。レンズフードを付けていると少し前が持ち上がるけど、持った時の重量バランスは良し (c)Bisoh

α9に望遠ズームのSEL70300Gを装着α9に望遠ズームのSEL70300Gを装着 (c)Bisoh横から見たα9 + SEL70300G。こちらもレンズフードでやや前が持ち上がる横から見たα9 + SEL70300G。こちらもレンズフードでやや前が持ち上がる (c)Bisoh

フラッシュは、以前持っていたHVL-43MからHVL-F45RMに少し前に買い換えていて、こちらも前モデルから軽く小さく薄く、と改良されており、なかなか取り回しやすい。これも個別に外観レビューとか書きたいなーと思ってるので、また未来に。

α9 + SEL2470Z + HVL-F45RM、正面からα9 + SEL2470Z + HVL-F45RM、正面から (c)Bisoh
外付けフラッシュのソニーHVL-F45RMを装着したところ外付けフラッシュのソニーHVL-F45RMを装着したところ (c)Bisohα9 + SEL2470Z + HVL-F45RM、背面からα9 + SEL2470Z + HVL-F45RM、背面から (c)Bisoh

スポーツ写真用フルサイズセンサーのカメラとしては破格の軽さと小ささ

順番的に最後になってしまったけれど、α9の外観で最大の特徴は、なんと言っても軽くて小さいこと。

標準ズームレンズのSEL2470Zを装着し、ニンジャカメラストラップ(幅38mm)込みで1255g、望遠ズームレンズのSEL70300Gと同ストラップで1704gと言う重量。もちろん全てSDカード1枚とバッテリーも入れた状態。

もしこの2台体制で行っても2959gと3kgを切ってくる。他に最低限必要な物として、ケース入りの外部フラッシュHVL-F45RM(電池込み) 466gと、予備バッテリー+充電器 242g x 2 = 484gあたりを足して950g。ここに前者α9の2台セットを足して3909g。4kg切り、やはり軽い。こうなると移動時の負担が軽減されると同時に、パッキングにも余裕が生まれるので、本当に助かる。まだ1台しかないけどね…。

α9 + SEL2470Z + ニンジャカメラストラップで1255g。フルサイズカメラでこれは軽い!α9 + SEL2470Z + ニンジャカメラストラップで1255g。フルサイズカメラでこれは軽い! (c)Bisohα9 + SEL70300G + ニンジャカメラストラップは、1704gα9 + SEL70300G + ニンジャカメラストラップは、1704g (c)Bisoh

ケースに入ったフラッシュHVL-F45RM(電池入り)は、466gケースに入ったフラッシュHVL-F45RM(電池入り)は、466g (c)Bisohバッテリーと充電器、合わせて242gバッテリーと充電器、合わせて242g (c)Bisoh

次の記事では、いろいろ試し撮りした写真を上げていく予定。暗所にかなり強くて驚いたんで、そのあたりの写真も。