SAMYANGの超広角単焦点レンズ『AF 1.8mm F2.8 FE』がやってきた。ズームはないけど、ソニーEマウントのフルサイズ一眼カメラ対応で、F2.8の明るさに本体重量145gと言う軽さ。これは普段の気軽なお出かけにマッチしそうだなと思って買ってみた。購入時の価格は新品で税込み46,620円。
付属品はフード、前後レンズキャップ、それとレンズケース。このケースは円筒形のセミハードタイプで、折り畳めたりはしない。しっかり感があるし、外側の表面に適度な柔らさがあるため、バッグに入れた際に他の物も傷つけずに済む。しかしレンズを出して空になってもコンパクトに出来ない点は、このタイプのケースにつきまとう悩ましさ。
ボディもフードも樹脂製で、マウントパーツは金属。低価格帯で軽量化と剛性のバランスを考えればベストの素材選択。フードは外側が光沢、内側はマット。形が丸っとしていてかわいい。
まず、前後レンズキャップとフードを合わせたレンズ重量は「174g」。ケースは「33g」で、合わせると「207g」。これが実際の最大持ち出し重量と言うことになる。近頃の大きめスマホ1台分と考えたら良いかなと。本体のみから50g程度の増量なので、バッグに入れてしまえばその差は全く感じられない。
そのコンパクトなサイズ感は手にしてみるとよくわかる。超広角ズームのSEL1635Zや、標準ズームのSEL2470ZやSEL24105Gと比べると圧倒的に小さい。これで重さも最大207g増にしかならないので、やはり標準ズームにプラスワンして出かけるには最高のレンズかも。
このレンズとSEL2470Zに加え、望遠域70〜300mmまでをカバーするSEL70300Gと組み合わせれば、超広角から望遠までカバーしつつカバンも軽くなる。望遠が必要なければ、SEL70300Gを外して標準ズームにSEL24105Gを選べば機動力を高められる。
ちなみにSEL70300GとSEL24105Gのレンズフードの凸凹は、レインカバーがズレないようにするための自作ストッパー。耐水性・耐候性のある屋外用接着剤を使い、ゴム板をフードに貼り合わせてある。
自転車ロードレースなんかは、どれだけ雨でも屋外で歩き回ることになるので、雨水を防ぐにはこういう工夫が必要になってくる。自分は割と雨男で、現場へ行く度に雨に降られるのだけど、この工作を施したカメラやレンズは不具合を発症したことなし。結露はさすがに避けられないけど、アウターズームタイプのレンズはズーミングを繰り返してレンズ内部の空気を入れ替えると結露解消が早い(部品の摩耗は心配になるけどね…)。
フォーカスリングの回転フィールは軽すぎず重すぎず。よく追い込んであるなあと感心。AFでピントを合わせた後、MFでもピントを追い込めるDMF(ダイナミックマニュアルフォーカス)にも対応している。
フォーカスホールドボタンやAF/MF切替スイッチと言った物は一切なし。自分は他のレンズでもほぼ使っていないため、なくても大丈夫。お値段にも影響するしね。
AF速度はそこそこで、遅くはないものの、純正レンズほど速くもない。なので、高速で動いたり不規則に動き回るような被写体相手だと少し厳しい。F値を絞り込んでも撮れる場面なら、そうして被写界深度を稼ぐのが得策。
フォーカシング時は微かな動作音が聞こえてくる。AF-Cで使っていると、フォーカシングの間鳴り続ける。音量自体は周囲に音がしている状況ならほとんど聞こえくなる程度のもの。
ただし動画では内蔵マイクがAF動作音を拾うので、撮影時の音声込みで素材を使うような場合は、外付けマイク+ケーブルを用い、カメラからマイクを離して必要な音だけ拾った方が良いと思う。
歪曲はタル型で、ハッキリとわかるレベルで出る。ビシっと直線出したい被写体には向かないけれど、超広角のスナップレンズとしてはこれも味わい。斜めからパースつけて撮ったりすると気にならない。
最短撮影距離25cmは、少しもどかしめ。小さな被写体にはもう少し寄ってパースとボケを効かせたいと思う場面あり。被写体が10cm以上あるなら問題なし。
あと、みんな気になる解像感。中央付近は、開放でも2400万画素のα9で撮って見ている分にはバッチリ。画面の隅の方は中央よりはわずかに落ちるものの、良好な解像。画面全体でフリンジの発生もかなり抑えられている。
逆光耐性は低め。太陽が画面内や画面近くに来る構図になると、ゴーストがハッキリと現れる。絞り値や角度によりゴーストの形は変わるが、どの値でもあまり綺麗とは言えない。もちろんゴーストが出ない角度もあるのだけど、発生する角度の方が多いので、画面作りに少々苦労する時がある。光芒は整っているし、フレアもさほど気にならないだけに本当に惜しい。
とは言え、これは太陽のような強い光源の場合で、普通の室内のLED電球くらいの光源なら、画面に入れてもゴーストはあまり発生しない。
逆光でのゴースト発生がもったいない感じではあるけれど、フルサイズセンサー対応の超広角レンズとして、AF付き、F2.8の明るさで、このサイズと価格を実現したのは素晴らしいと思う。標準ズーム以外の焦点距離を使ってみたい初心者の人にも、価格的にオススメしやすいレンズの1つかなと。
付属品はフード、前後レンズキャップ、それとレンズケース。このケースは円筒形のセミハードタイプで、折り畳めたりはしない。しっかり感があるし、外側の表面に適度な柔らさがあるため、バッグに入れた際に他の物も傷つけずに済む。しかしレンズを出して空になってもコンパクトに出来ない点は、このタイプのケースにつきまとう悩ましさ。
ボディもフードも樹脂製で、マウントパーツは金属。低価格帯で軽量化と剛性のバランスを考えればベストの素材選択。フードは外側が光沢、内側はマット。形が丸っとしていてかわいい。
SAMYANG AF 1.8mm F2.8 FE スペック
カタログ値はこんな感じ。焦点距離 | 18mm |
---|---|
明るさ | F2.8-F22 |
レンズ構成 | 8群9枚 |
画角 | フルサイズ:100.1° APS-C:76.2° |
大きさ | 60.5×φ63.5mm |
重さ | 145g |
フィルター径 | 58mm |
最短撮影距離 | 0.25m |
最大撮影倍率 | 0.09倍 |
絞り羽根 | 7枚 |
実際の重量とサイズ感
このSAMYANG AF 1.8mm F2.8 FE、本体重量は145gだけど、実際に持ち出す際には当然ながらフードやケースの重量や体積も計算に入れないといけない。それを想定して重量を測定してみた。まず、前後レンズキャップとフードを合わせたレンズ重量は「174g」。ケースは「33g」で、合わせると「207g」。これが実際の最大持ち出し重量と言うことになる。近頃の大きめスマホ1台分と考えたら良いかなと。本体のみから50g程度の増量なので、バッグに入れてしまえばその差は全く感じられない。
そのコンパクトなサイズ感は手にしてみるとよくわかる。超広角ズームのSEL1635Zや、標準ズームのSEL2470ZやSEL24105Gと比べると圧倒的に小さい。これで重さも最大207g増にしかならないので、やはり標準ズームにプラスワンして出かけるには最高のレンズかも。
このレンズとSEL2470Zに加え、望遠域70〜300mmまでをカバーするSEL70300Gと組み合わせれば、超広角から望遠までカバーしつつカバンも軽くなる。望遠が必要なければ、SEL70300Gを外して標準ズームにSEL24105Gを選べば機動力を高められる。
ちなみにSEL70300GとSEL24105Gのレンズフードの凸凹は、レインカバーがズレないようにするための自作ストッパー。耐水性・耐候性のある屋外用接着剤を使い、ゴム板をフードに貼り合わせてある。
自転車ロードレースなんかは、どれだけ雨でも屋外で歩き回ることになるので、雨水を防ぐにはこういう工夫が必要になってくる。自分は割と雨男で、現場へ行く度に雨に降られるのだけど、この工作を施したカメラやレンズは不具合を発症したことなし。結露はさすがに避けられないけど、アウターズームタイプのレンズはズーミングを繰り返してレンズ内部の空気を入れ替えると結露解消が早い(部品の摩耗は心配になるけどね…)。
使い勝手レビュー
まず実際に持ち歩いて使ってみた感じ、取り回しは最高に良い。流行の瞳AFもちゃんと機能する。レンズがあまりに軽くてコンパクトなので、いっそカメラ2台体制にして、このAF 1.8mm F2.8 FEとSEL2470Zあたりを付けっぱなしで出かけても良いかも、とすら思ってしまった。フォーカスリングの回転フィールは軽すぎず重すぎず。よく追い込んであるなあと感心。AFでピントを合わせた後、MFでもピントを追い込めるDMF(ダイナミックマニュアルフォーカス)にも対応している。
フォーカスホールドボタンやAF/MF切替スイッチと言った物は一切なし。自分は他のレンズでもほぼ使っていないため、なくても大丈夫。お値段にも影響するしね。
AF速度はそこそこで、遅くはないものの、純正レンズほど速くもない。なので、高速で動いたり不規則に動き回るような被写体相手だと少し厳しい。F値を絞り込んでも撮れる場面なら、そうして被写界深度を稼ぐのが得策。
フォーカシング時は微かな動作音が聞こえてくる。AF-Cで使っていると、フォーカシングの間鳴り続ける。音量自体は周囲に音がしている状況ならほとんど聞こえくなる程度のもの。
ただし動画では内蔵マイクがAF動作音を拾うので、撮影時の音声込みで素材を使うような場合は、外付けマイク+ケーブルを用い、カメラからマイクを離して必要な音だけ拾った方が良いと思う。
実写レビュー
それでは雑な作例をいくつか。写真はα9のRAWで撮影し、全てLightroomで現像。補正は読み込み後に露光量を1/3〜1/2段前後いじったものがいくつかあるけれど、その他の補正は一切行っていないほぼ撮って出し。もちろんレンズ補正もなし。歪曲はタル型で、ハッキリとわかるレベルで出る。ビシっと直線出したい被写体には向かないけれど、超広角のスナップレンズとしてはこれも味わい。斜めからパースつけて撮ったりすると気にならない。
最短撮影距離25cmは、少しもどかしめ。小さな被写体にはもう少し寄ってパースとボケを効かせたいと思う場面あり。被写体が10cm以上あるなら問題なし。
あと、みんな気になる解像感。中央付近は、開放でも2400万画素のα9で撮って見ている分にはバッチリ。画面の隅の方は中央よりはわずかに落ちるものの、良好な解像。画面全体でフリンジの発生もかなり抑えられている。
逆光耐性は低め。太陽が画面内や画面近くに来る構図になると、ゴーストがハッキリと現れる。絞り値や角度によりゴーストの形は変わるが、どの値でもあまり綺麗とは言えない。もちろんゴーストが出ない角度もあるのだけど、発生する角度の方が多いので、画面作りに少々苦労する時がある。光芒は整っているし、フレアもさほど気にならないだけに本当に惜しい。
とは言え、これは太陽のような強い光源の場合で、普通の室内のLED電球くらいの光源なら、画面に入れてもゴーストはあまり発生しない。
逆光でのゴースト発生がもったいない感じではあるけれど、フルサイズセンサー対応の超広角レンズとして、AF付き、F2.8の明るさで、このサイズと価格を実現したのは素晴らしいと思う。標準ズーム以外の焦点距離を使ってみたい初心者の人にも、価格的にオススメしやすいレンズの1つかなと。
その他の作例
あえて逆光多め。全てRAW撮影、Lightroomで補正せずの撮って出し。Amazon