ビブラムソール! 歩きもイケるSPDシューズ GIRO『TERRADURO』

2016/03/08(火) - 16:29 | bisoh
シクロクロスやオフロードライドのためにGIROの『TERRADURO』を購入した。トレッキングシューズにSPDを付けたような雰囲気の靴で、アウターソールにはビブラムを採用。歩きにもしっかり対応したこのシューズ、汚れる前に撮った写真でザザっと紹介していってみる。

GIRO TERRADUROの箱GIRO TERRADUROの箱 (c)BisohGIRO TERRADURO、サイズは40GIRO TERRADURO、サイズは40 (c)Bisoh

ジャーンジャーン (c)Bisoh
まず、なぜこのシューズを選んだか。

1. スタッド(スパイク)不要
2. 歩きやすい
3. 水が侵入しづらい構造
4. 丈夫
5. かっこいい(重要)

主にはこんなところ。

1. スタッド(スパイク)不要

自分はシューズのメンテナンスを欠かす人間である。そうしているうちにSPDシューズのつま先に付いていたはずのスタッドが、いつの間にか失くなってスカスカになっている。そんな事がよくある。スタッドの予備って高い。4本セット(両足分)で1,000円くらいする。

そこで500円程で10本以上入っているサッカーやラグビーシューズのスタッドを使ってみたりもした。しかし、あれは短いものでも10mm以上あり、SPDシューズに付けるとそこだけ盛り上がってしまい、歩きにくい事この上なくなる。つまり応急処置としてはOKだけど、常用は難しい。

こうなるとズボラな人間が考える事はただ1つ。「スタッドレスのSPDシューズを買えばいいじゃない?」その答えがTERRADUROとなった。

いろんな要求をクリアして選ばれたGIRO TERRADUROいろんな要求をクリアして選ばれたGIRO TERRADURO (c)Bisoh
つま先にはスタッド(スパイク)がなく、トレッキングシューズのような溝が入っているつま先にはスタッド(スパイク)がなく、トレッキングシューズのような溝が入っている (c)BisohSPDクリート取り付け穴SPDクリート取り付け穴 (c)Bisoh

2. 歩きやすい

まだ入門者の人間が言うのもなんだけど、昨年からシクロクロスなる競技をかじってみて感じたのは「思った以上に降りて走るよねこれ!(パワーもスタミナもテクニックもないから!)」と言うこと。シクロクロスにおいては、実力がない奴ほど降りて走る事がよくわかった。それは、つまり自分だ。

その時「これは歩きやすいシューズが必須」と思ったのだ。普通のレース用SPDシューズだと、アウターソールが硬くて衝撃をそのまま伝えてくるため、走っている時の関節や筋肉へのダメージが大きい。だからレース後半へ向けて余計に疲れが溜まり、タレ具合も大きくなる。

自転車はいかに楽して乗ってゴールまで走り切るか。もし降りて歩くのなら、その時だって少しでも楽なのが良いに決まってる。聞けば『ビブラムソール』なるものが良いらしい、すごく良いらしい。これを使ったシューズを履いてみたい。

と言うわけでこれにも当てはまったのがTERRADURO。

ビブラムソールの黄色いロゴが入った靴裏ビブラムソールの黄色いロゴが入った靴裏 (c)Bisoh
触れてみると適度に柔らかでグリップするビブラムソール触れてみると適度に柔らかでグリップするビブラムソール (c)Bisohかかと側の溝。水はけ良さそうかかと側の溝。水はけ良さそう (c)Bisoh

3. 水が侵入しづらい構造

冬は寒い。水が入ってくると一気に足が冷える。と同時に元から低かった戦意は限りなくゼロに近くなる。レース用SPDシューズの多くが、通気性を重視してメッシュタイプのファブリックをふんだんに使っており、容赦なく水が靴の中へと入ってくる。辛い。

「シューズカバーを使えばいいだろ」と言う意見もあるとは思うが、先述の通り自分は面倒くさがりである。靴だけで済むならそれが一番。シューズカバーは薄手で傷みやすいのも難。

TERRADUROはそんな水っぽいシチュエーションでも、これだけでまあまあイケる。メッシュではなく、厚手のファブリックの表面にまばらに通気口が開いているだけ。これは内から外への湿気をある程度抜いてくれつつ、外からの水の侵入は極力防いでくれる優れもの(もちろん防水でないので限界はある)。継ぎ目の多くも(おそらく)圧着式で水の侵入をある程度妨げる。

逆にジンワリ湿気を逃がすタイプのため、一旦水が入ると、乾燥に時間がかかる。ただしこの問題はシューズドライヤーの導入で解決したので、次回紹介したい。

横から見たところ。各所に蒸れ防止の孔がプツプツ開いているのがわかる横から見たところ。各所に蒸れ防止の孔がプツプツ開いているのがわかる (c)Bisoh
大半の継ぎ目は溝があるだけで(圧着式?)糸で縫ってある部分は少ない大半の継ぎ目は溝があるだけで(圧着式?)糸で縫ってある部分は少ない (c)Bisoh蒸れ防止の細かな穴が開いているけれど、中へは水が侵入しにくくなっている蒸れ防止の細かな穴が開いているけれど、中へは水が侵入しにくくなっている (c)Bisoh

4. 丈夫

TERRADUROは全体が厚手のファブリックに覆われており、見てからに頑丈である。その上でつま先とかかとにはやや硬質な素材が被せてあり、さらに信頼性を増している。

この「簡単には壊れないぞ」と言う佇まいは、乏しい資金力しかない自分にとって、安心そのものである。もちろん重さは増すわけだが、420g、それほど重くはない。

つま先部分を丈夫なファブリックでカバーしてあるつま先部分を丈夫なファブリックでカバーしてある (c)Bisohかかと側も丈夫なファブリックで補強されているかかと側も丈夫なファブリックで補強されている (c)Bisoh

ストラップも厚みがあって丈夫ストラップも厚みがあって丈夫 (c)Bisoh厚みのあるクッション厚みのあるクッション (c)Bisoh

5. かっこいい(重要)

TERRADUROはやや無骨でありながら普段着にもフィットするデザインで、自転車を降り、街中を歩いても馴染む。文句なし。

GIRO製品は、色付きであっても下手にロゴが主張していないところに好感が持てる。ヘンテコな流れるラインやゴテゴテのパターンを多用することもない。あくまで品質や全体のデザイン重視で、これいいなとよく見たらGIROだった、と言う感じ。

履いたところ履いたところ (c)Bisoh
ホールド感と守られてる感がすごいホールド感と守られてる感がすごい (c)Bisohタンの割りもしっかり機能してくれて足首の付け根が痛くならないタンの割りもしっかり機能してくれて足首の付け根が痛くならない (c)Bisoh

平らな場所ならクリートが直接地面に当たることはなかった平らな場所ならクリートが直接地面に当たることはなかった (c)Bisoh

で、実際どうなの?

なんと言ってもビブラムソール、確かに良い。石や木の根など、滑りやすい面でもグリップしてくれる。レース用SPDシューズで発生していた脚への衝撃も軽減された。あと、歩き易さと言う面では、スタッドレスかつ、トレッキングシューズ的なデザインであることも奏功している。

イマイチな点としては、溝が細く泥抜けは良くない。溝に小石が挟まる事もある。ただ、深い泥のため降車区間が8割以上となった湘南ベルマーレシクロクロスの大磯大会では、スタッドの有無や溝の広さ深さなどよりも、ソール全体のグリップ力の方が遥かに重要な事もわかった。実力的に笑えない話だけど、降りた時の方がしっかり走れていた。

TERRADUROのインナーソールTERRADUROのインナーソール (c)Bisoh疲れにくいように工夫された3D形状疲れにくいように工夫された3D形状 (c)Bisoh

インナーソールの裏側インナーソールの裏側 (c)Bisohかかとを包み込む形状になったヒールカップかかとを包み込む形状になったヒールカップ (c)Bisoh

付属のインナーソールも自分にはフィットしていて、しっかり土踏まずやかかとをサポートしてくれる。他社製のものに替える必要性は感じていない。

思い返せば2万5千円を超すような自転車用シューズを買ったのはこれが初めて。この価格なら良くて当たり前と言う人もいるだろうけど、人それぞれ足の形は違うから、合う合わないは必ず出てくる。フィッティングだけはしっかりやって購入する事をお勧めする。品質自体は間違いない。

GIRO TERRADUROGIRO TERRADURO (c)Bisoh