長谷川晶一さんの著書『プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた! 〜涙と笑いの球界興亡クロニクル〜』を読んだ。

自分は埼玉西武ライオンズのファンクラブに10年以上入っているけれど、いったい他のファンクラブのサービスはどうなのだろう?と思っていた。そして以前他球団ファンの友人に言われた「西武のファンクラブはサービスが良い」ということは本当なのだろうか?と。そんな疑問の答えがなんと、10年分も詰まっているのがこの本。

よくあることで、発売日の前々日くらいには書店に積まれていたので、見つけた瞬間手に取りレジに並んでいた。

『プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた! 〜涙と笑いの球界興亡クロニクル〜』の表紙『プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた! 〜涙と笑いの球界興亡クロニクル〜』の表紙 (c)Bisoh
帯なしの表紙帯なしの表紙 (c)Bisoh裏表紙裏表紙 (c)Bisoh

まず最初に少しだけ難点を書いてしまうと、長谷川さんが入っているファンクラブのランクが年度や球団によってマチマチなので、評価についてはやや振れ幅がある。

しかしこれは10年前、たった1人のプロ野球ファンの思いつきで始まったファンクラブ10年史なのだ。常人では到底なし得ない。本になったのはあくまで結果、僕らファンの中でも最高に濃い人によって作られたと考えるとこんなに興味深い本はない。

章は年ごとに分けられ、各年冒頭の見開きは観戦特典、グッズ特典、ポイント特典の基準で12球団のファンクラブランキングがリスト。そのトップに輝いた球団は通称FOY(フォイ=Fun club Of the Year)の称号が与えられ、特典グッズは総合ランキングとは別にGOY(ゴイ=Goods Of the Year)の称号が付与される。

その後の見開きから著者が入った各球団のファンクラブ特典の詳細や入会のいきさつなどが語られるのだが、やはり秀逸なのがこの冒頭の見開き。ここを見るだけでその年の主な出来事や、監督、開幕投手、リーグ順位が一望出来るからだ。単なるファンクラブレビューではなく、プロ野球と世の中の時事を絡めた導入があることで、当時の思い出を掘り起こしながらファンクラブの歴史を振り返れるようになっている。

それとこの導入部のランキング、僕と同じ西武ファンの皆さんにはちょっと嬉しいことに、評価は常にAクラスだ。Bクラスが一度もない。なかなか1番は取れないが常に上位に位置し、たまにはFOYやGOYを獲得する。……どうも近年のチーム順位的な煮え切らなさも含んでいるように錯覚してしまうけれど、まあ忘れよう。そもそも今シーズンは現時点で最下位。Aクラス復帰は遠い道のりだ。

毎年最初のページにはファンクラブランキングとFOYとGOYが掲載毎年最初のページにはファンクラブランキングとFOYとGOYが掲載 (c)Bisoh
巻頭ページには特徴的なファンクラブグッズがカラーで巻頭ページには特徴的なファンクラブグッズがカラーで (c)Bisoh2011年GOYはライオンズのオリジナルスウェットジャケット2011年GOYはライオンズのオリジナルスウェットジャケット (c)Bisoh

そうして次へと読み進めると、これまであまり知ることがなかった他球団のファンクラブの特典が次々紹介されていく。GOYを獲得した広島の『Caoshima(カオシマ)ユニフォーム』やヤクルトの『キャラクターフィギュア』などなど、個性的な特典グッズがズラリと並ぶ。西武ファンクラブは10年間総合ランキングのトップを獲得している。しかし個性と言う意味では他球団に軍配が挙がるなと感心してしまった。

個人的に良いなと感じたのは阪神タイガース。10年連続で入会するとダイアモンド会員に昇格。こうなると甲子園球場にネームプレートが張り出されるんだとか!そこでさらに3万円積むとダイアモンドプラス会員になり、金の刻印入り木製バットが届けられる。

前述の通り、自分も10年以上西武ファンクラブに入っているから、長年続ける甲斐を感じさせてくれる阪神のこのサービスは羨ましい。いつか西武でも実現出来ないだろうか。

巻末には名品&迷品ランキングやファンクラブ事件簿巻末には名品&迷品ランキングやファンクラブ事件簿 (c)Bisoh最後の総まとめ、ファンクラブ通信簿最後の総まとめ、ファンクラブ通信簿 (c)Bisoh

後半は10年間の総括、名品&迷品ランキングやファンクラブ事件簿&通信簿が来て、巻末に楽天とDeNAのファンクラブ担当を歴任している安田良平さんのインタビューが載る。

著者が毎年のように望んでいた「楽天とDeNAの特典グッズ郵送」が実現しなかった/していないのは、なるほどこの人のせいかと判明(笑)。しかしどちらも紆余曲折の末生まれた球団であり、多少負の面はあるにせよ、こうして1つの大組織を変革し育てていくにはある種の頑固さと言うか、芯の強さが必要なのだとも感じた。

本書は、長谷川さんの後を追って全12球団のファンクラブ入会を始めたひげもじゃのデザイナーさんによってデザインされたんだとか。こんなニッチすぎる趣味を一緒にやり酒を酌み交わし、共に本を作る。なんとも不思議な縁で出来あがった本である。
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