5月初旬に購入したセイルチェア、前回の記事ではネジをしっかり締め直すことであまりきしみ音が鳴らなくなったと書いた。しかし体重のかけ具合によって音が鳴ることは確かだし、使っているうちに緩んで音鳴りが大きくなるので締め直すこともしばしば。つまりまだ完璧とは言い難かった。
だが先日セイルチェアのバラシ方がわかり、構造を知ったことで、さらなる音の解消に至った。そう、緩衝剤を入れればいいのだ。
意外と簡単にバラせたセイルチェア (c)Bisoh
では早速バラシ開始。
まずはセイルチェアを横に寝かせて座面移動のレバーを引いて、座面を一番手前になるまで引き出す。すると白い横長のパーツが見える。これは座面を止めているストッパー。2カ所に穴が空いているので、そこにマイナスドライバーを入れてツメを外す。案外堅くはなくて、力の方向を間違えなければすんなり外れる。
今回使った工具。T40ヘックスローブレンチ、マイナスドライバー、ハサミ (c)Bisoh
セイルチェアを横に寝かせて座面を一番手前まで引き出す (c)Bisoh
ストッパーの穴にマイナスドライバーを差し込む (c)Bisoh
ストッパーを外側に押しながらドライバーを手前に引くと外れる。テコの原理でやればOK。左右にあるので両方外す (c)Bisoh
こんな感じ。ツメをドライバーの先端で外側に押して外す (c)Bisoh
外れたストッパー (c)Bisoh
ストッパーを外し終えたら椅子を起こし、今度は一番奥まで座面を下げる。下の写真の通り、ストッパーがある時よりも下がるので、止まるところまで下げきる。その状態になったら座面の手前を引き上げると、自然に座面が外れる状態になる。
これもしっかり座面を下げてあれば割と軽い力で外れるので、引っかかった時は無理矢理外そうとしないこと。引っかかった状態で無理に引き上げれば、座面移動用のレールが痛んでしまい、取り返しのつかないことになる。
ストッパーがある時は、座面は少し出た状態で止まる。 (c)Bisoh
ストッパーを外すとさらに後ろに下げられる (c)Bisoh
座面を一番下げた状態から手前を引き上げると座面が外れる (c)Bisoh
かぱぁ (c)Bisoh
座面を外したところ (c)Bisoh
次に背面&肘掛けの一体化部分を外す作業。外すのは、これを止める役割をしているストッパー金具のネジ1本と、前回の記事で増し締めをしたネジ3本。再びセイルチェアを横にして、下面のネジから行く。次にストッパー金具のネジを外す。これもT40で大丈夫。最後にネジ上面の2本を外しておしまい。
これで背面を外せば、いよいよあの忌々しいきしみ音の原因が見えるようになる。
次に椅子下面のネジを外す (c)Bisoh
椅子下面のネジの位置はここ (c)Bisoh
上面は、まず真ん中のストッパー金具を外す。下に見えるネジを回せば取れる。最後に両端の2つのネジを外す (c)Bisoh
ストッパー金具を外したところ。このネジだけ他の3本より長いため、間違えることはない (c)Bisoh
さて、あの音鳴りの原因はと言うと…本体から分離されているネジ受け金具である。背面に寄りかかったり、座ったり立ったりする度にこれらが動いて本体と擦れ、音がする、というわけ。
この部分の構造を見て、なぜしっかり締めても音がしてしまうか、の合点がいった。カチャカチャと浮いた状態で、部品がちゃんとかしめられてない状態なのである。だがこれを自分が構造から根本的に変えるには、部品破損などのリスクが高い。ならば隙間を緩衝剤で埋めてしまえばいい、という結論に達した。
自転車乗りが思いつくお手軽な緩衝剤は、タイヤのチューブ。タイヤ自体は今回の作業には厚みがありすぎる。チューブに使われているゴムなら柔らかく薄いため、足りなければ重ねれば良い。そんなわけで、パンクしたまま修理せずに放置されていたチューブ1本を使うことにした。
自転車乗りじゃない人は、0.7〜0.8mmくらいのゴム板をホームセンターなどで購入するといいと思う。10cm x 10cmもあれば十分。これでもだいぶ余ると思うけど、サイズを切り間違えたり、調整する必要もあるので、あまりギリギリの量にするのは避けるべき。
背面&肘掛けを外したセイルチェア。ここからが音解消の本番 (c)Bisoh
きしみ音の原因はこれ!本体から分離されているネジ受け金具 (c)Bisoh
上面の金具2つ。要はこれと椅子本体が擦れて音がする (c)Bisoh
下のネジ受け金具も同様のツクリ (c)Bisoh
今回の作業におあつらえ向きの自転車のチューブ (c)Bisoh
材料も揃ったところで、ネジ受け金具の幅に合わせ、チューブから適当にゴム板を作って埋めていく。
金具の精度がマチマチなので、同じサイズでカチっとくることはない。目や手で確認して調整しながら進める。厚みが足りない箇所は2枚重ねて入れたが、後々交換することも考えて、あまりきつくならないように注意した。
チューブからゴム板を作る (c)Bisoh
まずは下の金具にゴム板を入れていく (c)Bisoh
上の2つの金具の間にもゴム板を入れていく (c)Bisoh
ネジ穴部分を避けて2カ所に入れた (c)Bisoh
3カ所すべての金具の間にゴム板の挿入を完了 (c)Bisoh
3カ所の金具全てにゴム板挿入の処理を施したら、あとは戻すだけ。注意としては、ゴム板を入れると背面&肘掛けのパーツがきつくなって嵌めづらくなっていること。嵌めるのにあまり力がいるようなら部品が痛むので、面倒でも一度外してゴム板の厚みや長さを調整した方がいい。
2013/08/26追記:上2本のネジは締めすぎない方が良い、と言うかわずかに緩めの方がゴムのクッションがしっかり効いてくれてより音がしなくなる。あと、いずれにせよネジの締め具合の調整はたまに必要。再び音が鳴るようになってきたら、ネジを少し緩めたり締めたりしてみると良いと思う。
完成。見た目は変わらず、きしみ解消! (c)Bisoh
タイトルの「ほぼ」が示す通り、きしみ音がゼロかと言うと、そうではない。でも、単純に増し締めしていた時より遥かに音鳴りの頻度が少なくなったことは確か。また、ゴム板が入ったことで音鳴りがした際もソフトな音になる。「ギギギギギー」とけたたましく長く鳴ることは皆無。
増し締めだけならいざ知らず、こんなことまでする人はほとんどいない気もするけれど、DIYが問題なく出来る人なら安上がりでオススメ。お決まりだけど自己責任でね。メーカー保証も吹っ飛ぶからね。
だが先日セイルチェアのバラシ方がわかり、構造を知ったことで、さらなる音の解消に至った。そう、緩衝剤を入れればいいのだ。

では早速バラシ開始。
まずはセイルチェアを横に寝かせて座面移動のレバーを引いて、座面を一番手前になるまで引き出す。すると白い横長のパーツが見える。これは座面を止めているストッパー。2カ所に穴が空いているので、そこにマイナスドライバーを入れてツメを外す。案外堅くはなくて、力の方向を間違えなければすんなり外れる。






ストッパーを外し終えたら椅子を起こし、今度は一番奥まで座面を下げる。下の写真の通り、ストッパーがある時よりも下がるので、止まるところまで下げきる。その状態になったら座面の手前を引き上げると、自然に座面が外れる状態になる。
これもしっかり座面を下げてあれば割と軽い力で外れるので、引っかかった時は無理矢理外そうとしないこと。引っかかった状態で無理に引き上げれば、座面移動用のレールが痛んでしまい、取り返しのつかないことになる。





次に背面&肘掛けの一体化部分を外す作業。外すのは、これを止める役割をしているストッパー金具のネジ1本と、前回の記事で増し締めをしたネジ3本。再びセイルチェアを横にして、下面のネジから行く。次にストッパー金具のネジを外す。これもT40で大丈夫。最後にネジ上面の2本を外しておしまい。
これで背面を外せば、いよいよあの忌々しいきしみ音の原因が見えるようになる。




さて、あの音鳴りの原因はと言うと…本体から分離されているネジ受け金具である。背面に寄りかかったり、座ったり立ったりする度にこれらが動いて本体と擦れ、音がする、というわけ。
この部分の構造を見て、なぜしっかり締めても音がしてしまうか、の合点がいった。カチャカチャと浮いた状態で、部品がちゃんとかしめられてない状態なのである。だがこれを自分が構造から根本的に変えるには、部品破損などのリスクが高い。ならば隙間を緩衝剤で埋めてしまえばいい、という結論に達した。
自転車乗りが思いつくお手軽な緩衝剤は、タイヤのチューブ。タイヤ自体は今回の作業には厚みがありすぎる。チューブに使われているゴムなら柔らかく薄いため、足りなければ重ねれば良い。そんなわけで、パンクしたまま修理せずに放置されていたチューブ1本を使うことにした。
自転車乗りじゃない人は、0.7〜0.8mmくらいのゴム板をホームセンターなどで購入するといいと思う。10cm x 10cmもあれば十分。これでもだいぶ余ると思うけど、サイズを切り間違えたり、調整する必要もあるので、あまりギリギリの量にするのは避けるべき。





材料も揃ったところで、ネジ受け金具の幅に合わせ、チューブから適当にゴム板を作って埋めていく。
金具の精度がマチマチなので、同じサイズでカチっとくることはない。目や手で確認して調整しながら進める。厚みが足りない箇所は2枚重ねて入れたが、後々交換することも考えて、あまりきつくならないように注意した。





3カ所の金具全てにゴム板挿入の処理を施したら、あとは戻すだけ。注意としては、ゴム板を入れると背面&肘掛けのパーツがきつくなって嵌めづらくなっていること。嵌めるのにあまり力がいるようなら部品が痛むので、面倒でも一度外してゴム板の厚みや長さを調整した方がいい。
2013/08/26追記:上2本のネジは締めすぎない方が良い、と言うかわずかに緩めの方がゴムのクッションがしっかり効いてくれてより音がしなくなる。あと、いずれにせよネジの締め具合の調整はたまに必要。再び音が鳴るようになってきたら、ネジを少し緩めたり締めたりしてみると良いと思う。

タイトルの「ほぼ」が示す通り、きしみ音がゼロかと言うと、そうではない。でも、単純に増し締めしていた時より遥かに音鳴りの頻度が少なくなったことは確か。また、ゴム板が入ったことで音鳴りがした際もソフトな音になる。「ギギギギギー」とけたたましく長く鳴ることは皆無。
増し締めだけならいざ知らず、こんなことまでする人はほとんどいない気もするけれど、DIYが問題なく出来る人なら安上がりでオススメ。お決まりだけど自己責任でね。メーカー保証も吹っ飛ぶからね。
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