野川源流の自然に触れる 日立中央研究所・秋の自然庭園開放に行ってきた

2014/11/30(日) - 19:59 | bisoh
国分寺にある日立の中央研究所には自然保護と観察を主目的とした広い庭園がある。いつもは関係者以外立入禁止の場所のここは、春と秋に一度ずつ一般開放される。しかしこれまで一度も行ったことがなかった我々。前日に友人夫妻と話していたら「明日だよ」と言われ、「近いし行ってみよー」と我々夫婦も便乗参加させてもらうことになった。

さて当日、まずは気になっていたとんかつ屋さんの桂へ行き4人で腹ごしらえ。開店前に行ったけれどすでに行列ができていて、20分くらいは待っただろうか。その間に空腹をこらえきれなかった自分は近所のパン屋でサンドイッチを買って食べた。

西武多摩湖線沿いにある『とんかつ桂』。開店前から行列するほどの人気店西武多摩湖線沿いにある『とんかつ桂』。開店前から行列するほどの人気店 (c)Bisohボリューム満点の定食。カツがさくさくふわふわで美味しいボリューム満点の定食。カツがさくさくふわふわで美味しい (c)Bisoh

しかし出てきたとんかつ定食はうまい。衣はサクサク、中はフワフワ、なめこのみそ汁もたっぷり。ご飯とキャベツもおかわりできて満足、そして納得のおいしさだった。もちろん残さず完食、ごちそうさま。

腹ごしらえも終わったところで一路、日立中央研究所へ。あちこちから歩いてきた人たちが正門へ吸い込まれていく。思った以上の賑わいで驚き。しかし、よく考えれば長い歴史を誇る大規模施設なのだから、地元の人なら知らないはずもないのだよね。

自分はこの界隈へ住んで20年以上、大学も近くだと言うのに初めて。実はそういう人間の方が珍しいのかもしれない。

正門をくぐって、いざ庭園へ正門をくぐって、いざ庭園へ (c)Bisoh
渓谷にかかる『へんじんはし』を渡る渓谷にかかる『へんじんはし』を渡る (c)Bisoh通路は左側通行で通路は左側通行で (c)Bisoh

橋の下はジャングルのよう橋の下はジャングルのよう (c)Bisoh
まずは正門をくぐり渓谷にかかる『へんじんはし』を渡り、研究所の玄関前へ。この橋を漢字で書くと「返仁橋」、またの名を「変人橋」と言うのだとか。その名の由来は…日立のウェブサイトにはこうある。

外界と研究所をつなぐ橋の語呂あわせの二つの名前に、44年前、創設者はある熱い願いをこめました。遠い将来に向かって独創的な基礎研究を進めるためには、何よりも一徹で、ある意味で変人と言われるような、ひたむきさが重要である。そんな強い個性の輝きをもった研究所の中からこそ、思いもかけない発想が生まれるのだ。一歩研究所に踏みこんだならば、変人であれ。しかし橋を渡り世間に戻る時には、人をいつくしむ心、すなわち仁に返れ。この二つの願いが表裏一体となり、日立の心として引き継がれています。(引用元 http://www.hitachi.co.jp/Int/HRN-chu.html )

橋を見た時は「変人って…?」とちょっと訝しんだ自分だけれど、これを読んでなるほど。

玄関前へ着くとどこかで見た雰囲気だなあ…と思った自分。緑に囲まれた噴水の後ろに白くてちょっとくたびれた研究施設。そうそう、ここの近くにある母校によく似ているのだ。自分は中退だけどな!…ゲフンゲフン。

玄関前の噴水から左に折れると広場が。屋台が並び人々がピクニックを楽しんでいる。クルミドコーヒーのコーヒーを買い、後輩とその息子さんに合流してしばし歓談。

なんだか近くにある母校に雰囲気が似てる研究所の正面玄関なんだか近くにある母校に雰囲気が似てる研究所の正面玄関 (c)Bisoh
西国分寺駅前にあるクルミドコーヒーが出張。コーヒーをいただく西国分寺駅前にあるクルミドコーヒーが出張。コーヒーをいただく (c)Bisohなぜかバレンティンのボブルヘッド人形売ってたなぜかバレンティンのボブルヘッド人形売ってた (c)Bisoh

入口でもらった庭園マップ入口でもらった庭園マップ (c)Bisohこっちのコーヒーも気になったこっちのコーヒーも気になった (c)Bisoh

ピクニックを楽しむ人たちピクニックを楽しむ人たち (c)Bisoh
広場を一回りしたら後輩と一旦別れ、4人でいよいよ庭園へ。緑の中を奥へと進んでいく。途中竹林もあり、竹の隙間から向こうの通路の往来が見えたのが視覚的に面白かった。なお、写真はうまく撮れず…。

先に進むと右手に池がチラリと見え、そこから流れる川沿いに行列が。なんだろう、と友人に尋ねると水門を見られるのだと言う。んーまあ、こっち(池側)の水門だけでいいか!と本日は諦め。とんかつ桂でも並んだので、もう待つのはいいかなと。大池のほとりまで行き、のんびり泳ぐ一羽の白鳥を眺める。

写真ではうまく伝えられないのだけれど、本当にこの池の水が綺麗。構内から流れる湧水がこの池に溜まっているのだから、当然と言えば当然か。

水門?を見学する人の列水門?を見学する人の列 (c)Bisohこちらの水門で満足こちらの水門で満足 (c)Bisoh

紅葉の木漏れ日がキレイ紅葉の木漏れ日がキレイ (c)Bisoh
豊かな水をたたえる大池豊かな水をたたえる大池 (c)Bisoh
それにしても、ほふう…癒される。この大池を中心に広がる自然は、人の手が過剰に入っていないところが良い。もちろんしっかり作りこまれた庭というのもアリだけど、ここはそもそものコンセプトが違う。これで良いと思うし、今後もこのまま残してほしいと思う。

ただ、願わくば春夏秋冬それぞれ一度くらいの開放だと景色の楽しみが増えるかな。もし荒れない範囲で実現出来るのであれば。

水面の模様が美しい水面の模様が美しい (c)Bisoh池のほとりに十月桜が咲く池のほとりに十月桜が咲く (c)Bisoh

皆思い思いのペースで自然に親しんでいる皆思い思いのペースで自然に親しんでいる (c)Bisoh野川の源流の一つでもある小川に澄んだ水が流れる野川の源流の一つでもある小川に澄んだ水が流れる (c)Bisoh

池を後にして歩いていくと、ちょっと登って再び元の広場へと戻る。途中、研究所の裏側を覗けるのだが、やはり建物自体は研究施設である。複雑に伸びたダクトや鉄骨が、その本来の目的を任されたこの場所の雰囲気を伝えてくる。

こんな広々とした自然豊かな施設で日々研究をしている日立の社員さんがちょっぴり羨ましくなった。

人の手が入りすぎていない感じが良い人の手が入りすぎていない感じが良い (c)Bisoh奥の広場は人も適度にまばらでのんびりした雰囲気奥の広場は人も適度にまばらでのんびりした雰囲気 (c)Bisoh

研究所はダクトや鉄骨に囲まれていてそれっぽい雰囲気研究所はダクトや鉄骨に囲まれていてそれっぽい雰囲気 (c)Bisoh
と言うわけで、日立中央研究所をざっくり一周完了。これまた写真ではわかりづらいのだけど、広場横の施設入口前に立つ2本の杉の巨木が迫力あって、何度も見上げてしまった。

のどかな午後の光があふれる中、後輩とも合流してダラっと過ごしたら、各自他の用事のため解散。うちの奥さんは地物の野菜や花が並ぶ屋台で花を買って帰宅。

自分は全く仕事をしない休日を過ごしたのが、実に2ヶ月ぶりくらいのこと。ただ今回はやや急ぎめで回ったので、春はもう少しゆっくりダラダラと過ごしに来たい。

国分寺界隈で生産された地物の野菜販売も国分寺界隈で生産された地物の野菜販売も (c)Bisoh研究施設の前にある2本の杉の巨木研究施設の前にある2本の杉の巨木 (c)Bisoh

のどかな午後の光が気持ちがいいのどかな午後の光が気持ちがいい (c)Bisoh