昨年10月の話。X68000の特徴の1つでもある、ポップアップ式のキャリングハンドル。我が家のSUPERは、入手当初からプッシュしてもほとんど取っ手が出てこない状態だった。「まあ持ち運ばないし、マシンは動くようになったし」と最初の修理が成功した後は放置していたのだけど、やはり気持ち悪いので渋々メンテナンスを実施した。

X68000 SUPERのキャリングハンドル部。ここまでバラすのが大変 (c)Hosoda Bisoh
X68000ユーザーの皆さんならご存知の通り、このキャリングハンドルのシリンダー部まで到達するには、本体をほぼほぼ解体しきらないといけない。つまり最高にめんどくさい。なのでまあ、せっかくバラしたので写真に記録しておいた。
しかし、作業当時はTwitterにスマホで撮った写真と動画を1つずつアップしたところで力尽き……それから時が流れること10ヶ月、ようやく気が向いたため、その時の写真を使って詳細な内容を記すことに。それが今回の記事。

X68000のキャリングハンドルの伸縮を制御しているシリンダー部を分解したところ (c)Hosoda Bisoh

螺旋を描くゴム製スリーブ (c)Hosoda Bisoh 
溝と爪が付いた軸 (c)Hosoda Bisoh

軸にスリーブだけ嵌めてみた。どこかで見たような形 (c)Hosoda Bisoh

スポンジやブラシを使って汚れを落としていく (c)Hosoda Bisoh 
軸受の中もはこんな風にゴシゴシ (c)Hosoda Bisoh

洗ってキレイになったパーツたち (c)Hosoda Bisoh

スリーブの上下側面には爪がついているので、軸受の凹部と合わせる (c)Hosoda Bisoh 
スルスルとスリーブを軸受に入れていく (c)Hosoda Bisoh
軸受にはS字の針金、リング状の針金、ワッシャーがついているので、これら細かい部品をなくさないように注意。
これら部品の戻し方は…
うん、文章だけだと非常にわかりづらい。写真でどうぞ。

軸受の細かい部品。ワッシャー、リング状の針金、S字の針金 (c)Hosoda Bisoh 
先に直角なS字に折れ曲がった針金を入れる (c)Hosoda Bisoh

直角S字針金の上から被せるようにリングを軸受周囲にはめ込む (c)Hosoda Bisoh

ワッシャーをこんな風に針金と軸受の間に入れる (c)Hosoda Bisoh
最後に軸受にバネを嵌め、軸の溝を軸受の凸部に合わせながら通せば組み立て完了。針金の先端を軸の溝に入れるのを忘れずに。キャリングハンドルの伸縮を制御しているのが、この溝と針金の動き。
潤滑剤としてのグリスは、自転車用として持っているシマノのプレミアムグリス(通称デュラグリス)を塗布した。最初フィニッシュラインのチェーンルーブを使ってみたのだけど、粘性が低すぎて摩擦部に残留せず、何度か動かすうちに動きが渋くなったのでやめた。やはりここはある程度粘性のあるグリスの方が良いようだ。
なお、シマノのプレミアムグリスは粘性高めなので、量が多いとこれまた動きが渋くなる。塗布する量はスプリングを伸縮させながら調整した方が良い。

軸受にバネと軸を入れる。軸受側の凸部を軸の凹部に合わせて挿入する (c)Hosoda Bisoh 
ググッとバネを押しながら針金の先端を軸の溝に収める (c)Hosoda Bisoh

元通りになったキャリングハンドル用シリンダー (c)Hosoda Bisoh

プッシュすると勢いよく飛び出してくるようになった (c)Hosoda Bisoh

X68000ユーザーの皆さんならご存知の通り、このキャリングハンドルのシリンダー部まで到達するには、本体をほぼほぼ解体しきらないといけない。つまり最高にめんどくさい。なのでまあ、せっかくバラしたので写真に記録しておいた。
しかし、作業当時はTwitterにスマホで撮った写真と動画を1つずつアップしたところで力尽き……それから時が流れること10ヶ月、ようやく気が向いたため、その時の写真を使って詳細な内容を記すことに。それが今回の記事。
シリンダー分解後の写真など
はい、もう全部バラしたところからです。スリーブとして使われている螺旋状のゴム製チューブがなんとも珍しい。ここに付着しているグリスが固まったり減ったりすると軸との摩擦が強まり、動きが悪くなったり、動かなくなったりするっぽい。



各部を水洗い
バラシた後は中性洗剤とスポンジやブラシを使って水洗いし、各部品を綺麗にしてあげた。軸受けや螺旋型スリーブは外側よりも内側、軸も溝の間までしっかり洗う。


シリンダーの組み立て
はじめに螺旋スリーブを軸受に入れる。スリーブの上下側面には突起があり、これを軸受筒内の凹部に合わせて入れる。スリーブの上と下で突起の位置が違うので、わずかにひねって入れた記憶(曖昧)。

軸受にはS字の針金、リング状の針金、ワッシャーがついているので、これら細かい部品をなくさないように注意。
これら部品の戻し方は…
- 螺旋スリーブをはめ込んだ後、S字の針金を軸受の筒横にある穴にまず通す。
- その上からリング状の針金を被せる。
- 最後にワッシャーを針金と軸受の口の間に置く。
うん、文章だけだと非常にわかりづらい。写真でどうぞ。




最後に軸受にバネを嵌め、軸の溝を軸受の凸部に合わせながら通せば組み立て完了。針金の先端を軸の溝に入れるのを忘れずに。キャリングハンドルの伸縮を制御しているのが、この溝と針金の動き。
潤滑剤としてのグリスは、自転車用として持っているシマノのプレミアムグリス(通称デュラグリス)を塗布した。最初フィニッシュラインのチェーンルーブを使ってみたのだけど、粘性が低すぎて摩擦部に残留せず、何度か動かすうちに動きが渋くなったのでやめた。やはりここはある程度粘性のあるグリスの方が良いようだ。
なお、シマノのプレミアムグリスは粘性高めなので、量が多いとこれまた動きが渋くなる。塗布する量はスプリングを伸縮させながら調整した方が良い。



メンテナンスを終え絶好調に
こうしてピカピカになったキャリングハンドルは、プッシュすると勢いよく飛び出すようになり、もう少し上品さが欲しくなるほどに。10ヶ月後の今もその状態を保っており、しばらくはこの作業をする必要はなさそう。
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