6月29日(日)、全日本選手権ロードレースは男女ともにエリートを残すのみ。天候は早朝から雨。予報では見ていたものの「またか!」の思いがよぎる。昨年の全日本選手権も日曜日は雨だった。自転車レースに限っては、どうも雨と縁がある。奥さんに「また雨だよー」と愚痴を言いながら朝食を食べ、会場へと再び車を走らせた。
この日のスタートは男子エリートが8時ジャスト、女子エリートが5分後となっているが、前回と同じくゴールタイムは女子エリートの方が早いため、こちらから。
女子エリートは126.4km、8周回の戦いとなる。個人的な本命は萩原麻由子選手(Wiggle HONDA)。6月27日の全日本選手権TT女子エリートで、昨年の全日本TT&ロード2冠の与那嶺恵理選手に50秒差をつけ圧勝している。
何より萩原選手は全日本ロード3連覇の後、昨年与那嶺選手にタイトルを奪われており、今回は期するものがあるはず。その結果が全日本TTに現れたと考えた。朝見かけたところコンディションも良さそうで、少なくとも昨年のように大きく遅れを取るレースにはならないだろうと思えた。
レースが始まって間もなく、雨に加えて濃霧発生!「あーこれもまた去年見た風景」と嘆く。雨は嫌いじゃないのだけれど、たまにはカラっと晴れたレースも見たいのだよね。
1周目は須藤むつみ選手(Ready Go Japan)が先頭を必死の形相で引いてクリアー。仕事を終え、2周目を終えた時点で自ら自転車を降りた。最後まで戦えないと自覚した上で参戦したレース、こういう判断もアリだ。
霧が薄まってきた4周目、萩原選手が単独で補給所の前を通過していった。追うのは与那嶺選手、そのすぐ後に小集団といった格好。3周目の上りで何か動きがあったようだけども、実況の届かない位置だったこともあり、自分は把握出来ず。
この動きは間もなくまた一つになった模様。その後はすでにちぎれてしまった選手達が、なんとか追いつく機会をとペダルを踏み込み通り過ぎていく。
そしてこの後5周目、どうも女子選手達が来るのが遅いな、と思ったら、どうやら男子エリートのコントロールライン通過時刻と女子エリートのゴール時刻が重なりそうなため、時間調整のため女子選手達が停止させられていたらしい。もちろん前も後ろも停止時間や距離は同じに保たれたようだ。レースが並行すると、こんなこともある。
再び動き出したレース、6周目までは集団のままレースが展開し、7周目に動きが出る。牽制状態に入った集団から与那嶺選手がアタックを開始して、単独先頭に踊り出た。その後ろを萩原選手が追っていく。後ろからは西選手ら小集団が通過。
与那嶺選手が最終周回である8周目の下りを終える頃、萩原選手とは40秒まで開いたと実況が伝える。「これで決まりか」と言う雰囲気が会場によぎる。しかしレースはこの後、観客の僕らを熱狂へと巻き込んでいく。
そう、上り区間で荻原選手が満を持したように追い上げを開始したのだ。
国内の自転車レースではおなじみの名実況・DJがらぱさんが残り距離と時間を伝えるたび、2人の差が5秒、また5秒と詰まっていく。ざわめくゴール前。誰も予想だにしなかったレースが展開されている!息をのんで実況に耳を傾ける。
その差10秒!その差5秒!実況も熱を増す!
そして観客が見つめる青いパイロンの先にあるカーブ、与那嶺選手をかわし、ものすごい勢いで駆けてきたのは荻原麻由子選手!観客のボルテージが最高潮に達し「まゆこー!」とどこからともなく声援がわき上がる。
与那嶺選手をかわす瞬間ダンシングでペダルを踏み込み、一気に差を広げ、ゴールを目指す!振り向かず、力を緩めず、最後の最後に手を広げてフィニッシュ!
なんて美しい勝利だろう!万来の拍手と声援が彼女を包み込んだ。
敗れた与那嶺選手は萩原選手にかわされた後スローダウンし、観客へ感謝の気持ちを伝えながらゴール。彼女なしでは、この熱いレース展開は成立しなかった。勇気あるアタックに拍手を贈りたい。もう数年、この2人のデッドヒートが見られるだろうか。
3位には早稲田大学の合田祐美子選手が入り表彰台に登った。2強の後塵は拝したけれど、これも立派な結果。7月の世界大学選手権女子ロードレースでは7位に入る健闘。今後上位2人を脅かす選手の1人になるだろうか。これもまた楽しみだ。
そして最後に、表彰式の写真はこれを。他にもいい写真あるだろ、と言われそうだけども、おどけた表情の萩原選手がなんだか良くて、これにしてしまった。
勝者・萩原選手の平均時速は32.68km/h。女子レーサー達の競演の後は、全日本選手権ロードレースの真のクライマックス、男子エリート。こちらも涙なしでは語れない、熱い結末が待っていた。
この日のスタートは男子エリートが8時ジャスト、女子エリートが5分後となっているが、前回と同じくゴールタイムは女子エリートの方が早いため、こちらから。
女子エリートは126.4km、8周回の戦いとなる。個人的な本命は萩原麻由子選手(Wiggle HONDA)。6月27日の全日本選手権TT女子エリートで、昨年の全日本TT&ロード2冠の与那嶺恵理選手に50秒差をつけ圧勝している。
何より萩原選手は全日本ロード3連覇の後、昨年与那嶺選手にタイトルを奪われており、今回は期するものがあるはず。その結果が全日本TTに現れたと考えた。朝見かけたところコンディションも良さそうで、少なくとも昨年のように大きく遅れを取るレースにはならないだろうと思えた。
レースが始まって間もなく、雨に加えて濃霧発生!「あーこれもまた去年見た風景」と嘆く。雨は嫌いじゃないのだけれど、たまにはカラっと晴れたレースも見たいのだよね。
1周目は須藤むつみ選手(Ready Go Japan)が先頭を必死の形相で引いてクリアー。仕事を終え、2周目を終えた時点で自ら自転車を降りた。最後まで戦えないと自覚した上で参戦したレース、こういう判断もアリだ。
霧が薄まってきた4周目、萩原選手が単独で補給所の前を通過していった。追うのは与那嶺選手、そのすぐ後に小集団といった格好。3周目の上りで何か動きがあったようだけども、実況の届かない位置だったこともあり、自分は把握出来ず。
この動きは間もなくまた一つになった模様。その後はすでにちぎれてしまった選手達が、なんとか追いつく機会をとペダルを踏み込み通り過ぎていく。
そしてこの後5周目、どうも女子選手達が来るのが遅いな、と思ったら、どうやら男子エリートのコントロールライン通過時刻と女子エリートのゴール時刻が重なりそうなため、時間調整のため女子選手達が停止させられていたらしい。もちろん前も後ろも停止時間や距離は同じに保たれたようだ。レースが並行すると、こんなこともある。
再び動き出したレース、6周目までは集団のままレースが展開し、7周目に動きが出る。牽制状態に入った集団から与那嶺選手がアタックを開始して、単独先頭に踊り出た。その後ろを萩原選手が追っていく。後ろからは西選手ら小集団が通過。
与那嶺選手が最終周回である8周目の下りを終える頃、萩原選手とは40秒まで開いたと実況が伝える。「これで決まりか」と言う雰囲気が会場によぎる。しかしレースはこの後、観客の僕らを熱狂へと巻き込んでいく。
そう、上り区間で荻原選手が満を持したように追い上げを開始したのだ。
国内の自転車レースではおなじみの名実況・DJがらぱさんが残り距離と時間を伝えるたび、2人の差が5秒、また5秒と詰まっていく。ざわめくゴール前。誰も予想だにしなかったレースが展開されている!息をのんで実況に耳を傾ける。
その差10秒!その差5秒!実況も熱を増す!
そして観客が見つめる青いパイロンの先にあるカーブ、与那嶺選手をかわし、ものすごい勢いで駆けてきたのは荻原麻由子選手!観客のボルテージが最高潮に達し「まゆこー!」とどこからともなく声援がわき上がる。
与那嶺選手をかわす瞬間ダンシングでペダルを踏み込み、一気に差を広げ、ゴールを目指す!振り向かず、力を緩めず、最後の最後に手を広げてフィニッシュ!
なんて美しい勝利だろう!万来の拍手と声援が彼女を包み込んだ。
敗れた与那嶺選手は萩原選手にかわされた後スローダウンし、観客へ感謝の気持ちを伝えながらゴール。彼女なしでは、この熱いレース展開は成立しなかった。勇気あるアタックに拍手を贈りたい。もう数年、この2人のデッドヒートが見られるだろうか。
3位には早稲田大学の合田祐美子選手が入り表彰台に登った。2強の後塵は拝したけれど、これも立派な結果。7月の世界大学選手権女子ロードレースでは7位に入る健闘。今後上位2人を脅かす選手の1人になるだろうか。これもまた楽しみだ。
そして最後に、表彰式の写真はこれを。他にもいい写真あるだろ、と言われそうだけども、おどけた表情の萩原選手がなんだか良くて、これにしてしまった。
勝者・萩原選手の平均時速は32.68km/h。女子レーサー達の競演の後は、全日本選手権ロードレースの真のクライマックス、男子エリート。こちらも涙なしでは語れない、熱い結末が待っていた。
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